証券検査の勧告事案40件をNotionにまとめました
2023.11.01
1.はじめに
こんにちは弁護士のスガオです。
今回、証券検査の勧告事案をNotionにまとめましたので、お知らせします。
なお、私自身の経歴について簡単に触れておきますと、私は弁護士資格を持つ任期付き公務員として、財務省関東財務局の証券取引等監視官部門で証券検査官を務めていました。
2.Notionで勧告事案のまとめページを作成した経緯
別のブログでもお話しましたが、証券モニタリグ概要・事例集は、証券検査で問題となった事例を知るうえで、また証券取引等監視委員会からのメッセージを把握するうえで非常に有益な資料です。
証券取引等監視委員会は、2023(令和5)年8月1日付けで証券モニタリグ概要・事例集が公表しており、過去5年間の間に実施された勧告事案について法令違反行為別の勧告件数をまとめております。
2023(令和5)年8月1日に公表された証券モニタリング概要・事例集では、29ページの「表4 法令違反行為別の勧告件数(平成30年7月~令和5年6月)」で法令違反行為別の勧告件数がまとめられています。
こちらの資料は、どの業態でどのような法令違反が問題になったのかを把握するうえで有益なものとなっております。
しかしながら、具体的にどのような事実関係のもと法令違反行為が認められたのかについては把握できません。
そこで、2018(平成30)年7月から2023(令和5)年6月までの間に証券検査の結果に基づいて勧告が行われた40件について、公表された勧告文のリンクを掲載することにより、具体的な事実関係が分かるようにしました。
また、勧告の結果、どのような行政処分が行われたのかは証券取引等監視委員会のウェブサイトには記載されていないため、行政処分の内容を知るためには、金融庁や財務局のウェブサイトを確認する必要がありました。
そこで、公表された行政処分のリンクなどを掲載することにより、行政処分の内容も分かるようにしました。
3.Notionの見方・使い方
⑴ Notionページの見方
Notionで作成したページにおいては以下の項目(プロパティ)を用意しております。
① 会社名
- 勧告文が公表された当時の会社名を記載しております。
② 会社の業態
- 勧告を受けた会社の中には複数の登録をしている会社もありますが、「表4 法令違反行為別の勧告件数(平成30年7月~令和5年6月)」の「業態」の記載にならい、その会社の主な「業態」について記載しました。
③ 証券検査の主体
- 勧告文からうかがわれる証券検査を行った主体(証券取引等監視委員会によるものか、財務局等によるものか、財務局等によるものである場合にはどこの財務局等か)について記載しました。
④ 勧告日
- 勧告が行われた日を記載しました。
⑤ 法令違反行為
- 「表4 法令違反行為別の勧告件数(平成30年7月~令和5年6月)」の「法令違反行為」の記載にならい、それぞれの勧告において認められた法令違反行為を記載しました。
⑥ 勧告文
- 証券取引等監視委員会により公表された勧告文のリンクを掲載しております。
⑦ 行政処分日
- 勧告後に行われた行政処分の日を記載しました。
⑧ 行政処分の内容
- 勧告後に行われた行政処分の内容について記載しております。
⑨ 行政処分の公表分
- 金融庁または財務局等により公表された行政処分の内容のリンクを掲載しております。
⑵ Notionページの使い方
会社の業態、証券検査の主体、法令違反行為、行政処分の内容はセレクト方式で記載しております。
Notionのフィルター機能を使うことで、様々な視点から勧告事案を分析することができます。
例えば、「表4 法令違反行為別の勧告件数(平成30年7月~令和5年6月)」によると「業務の運営等に問題のある行為」は合計で10件とあります。
Notionのページにおいて、「法令違反行為」のフィルターで「業務の運営等に問題のある行為」に✓を入れてもらえれば、10件の会社名、業態、勧告文の内容などについて確認することができます。
4.おわりに
以上、証券検査の勧告事案40件についてNotionにまとめましたのでお知らせします。
金融商品取引業者や金融商品仲介業者の皆様におかれましては、このNotionページを参考に、自社のコンプライアンス体制を強化する一助としていただければと考えております。
証券取引に関わる法令違反は重大な結果を招く可能性がありますので、過去の事例をしっかりと学び、予防策を講じることが非常に重要です。
また、ウルトラ法律事務所では、金融商品取引法をはじめとする多岐にわたる法的課題に対応しております。
私、弁護士スガオが証券検査官を務めていた経験も活かし、証券関連の問題に対しても専門的なアドバイスが可能です。
法令違反の予防策、内部統制の強化、事業承継、M&Aなど、お客様のニーズに応じた包括的なサービスを提供しております。
お悩みの場合は、どうぞウルトラ法律事務所までご連絡ください。